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2007年02月03日

心臓外科医の本音

 心臓外科医・南淵明宏氏のことだ。――「手術室は本来、シアター(劇場)。密室ではありません。――
 今は患者さんが「良い医者、良い病院をどうやって見つけるんですか」と聞きます。十年前ならありえなかった。医者はみんないいに決まっているという発想でしたから。開業医を信頼し、言われるまま大学病院に行ったらそこには世界的に有名な先生がいる、と信じていましたよね。

 「迷わない」というのは思考停止。迷うことは道を見つけることである」というスワヒリのことわざがありますが、迷ったあげく見つけた道は自分の道、後悔しない道だと思いますね。

 改革は道半ば。技術を正当評価しようとしない現状への憤りはつきない。

 個々の技量は野放しです。「品質管理がないというより一生懸命エネルギーを使って管理しないようにしている。たとえば学会の専門医認定にも実技試験がない。「技術を試すと実力のない人が困る」という考え方です。初めから社会をだます制度としか思えない。選択、排除は必要です。プロ野球が高いレベルを維持できるのは百人なろうと思っても一人しかなれないから。ところが医療界では一番底の人を専門医にするにはどうしたらいいか考えている。試験の日に寝過ごさなければ必ず通る、なんて言う人もいます。」――(中略)

 運命というのは人間が、ましてや医者が決めるものではない。強いていえば、本人が必死で切り開いていくものだと思います。――(中略)

 病気になり、精神的にもどん底に落ち込み、それでもはい上がって手術に立ち向かう。そんな患者さんの強固な精神力を毎日目の当たりにして、「人間はものすごく強いんだ」と思うようになりました。そんな患者さんから力を授かりながら、そして生命に対する畏怖の念を抱きながら、自分に与えられた本文を全うし、平凡に人生を終わりたいと思っている。――(日経連載人間発見07/02/02付夕刊から抜粋・原文のまま)

 この連載、医師としてのかなりの本音が語られていて驚くと共に、南淵明宏氏の勇気を讃えたい。一流の外科医だからこそ言えるのだろう。このような医師にかかる患者は幸せである。というより、このような医師を求めなくてはいけない。

投稿者 golf : 2007年02月03日 14:21

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