ゴルフ会員券は細密である必要は当然にある。ところが、紙切れのような証券を発行するコースが中にはある。破綻コースを多く引き受け、全国で数多くコースを所有する国内資本が、見るからに安物の、単色の体でそれを発行している。コストカットのなされるところを間違えているようである。証券はそれが偽造されないよう細密に制作されなければならないからだ。

　グループコースでよく、名義書換料減額キャンペーンなどを張って新入会者を呼び込む策等が講じられているようだが、多くのコースでゴルフ会員権価格より名義変更料のほうが高く、およそ魅力を感じない。このような会員券は自らのコースの価値さえも貶めているような気がするのである。名門コースで証券を発行していないコースもある。これはこれで、さもありなんと、かえって名門であるが故の風格すら感じる。

　このようなチープで、紙切れのような会員券を発行しながら、会員にプライドをもたせられるのであろうか。そも、そのコースに所属することにプライドを感じるからこそ、コースでもマナーよくラウンドできるという面もあるはずである。

　本来その価値もないのに、いかにも高価な価値があるかのようにその体裁を装うことなど論外であるが、その本来の価値を表すよう体裁を整えることも必要なことのように思うのだ。同時に、ゴルフ会員券の偽造されるリスクを極力軽減させなければならないはずである。

　それと、購入者がそれを初めて見たとき、どのように感じるであろうか。ゴルフ会員権を既に持つ人なら分かる思うが、会員券を手にしたとき、そのコースが高価であればあるほど、また名門コースであればあるほど入会者はこれからのゴルフライフへの期待感から、少しの高揚感を抱くものだ。

　このような証券はその気持ちをも削いでしまいそうで、このような証券ならいっそ発効しないほうがよいのではないか。事故防止の観点からも、初めからないのが分かっている取引は、購入者が細心の注意を払うのでそういう意味からもないほうがよいように思う。名門コースの証券はやはりその風格を備えているものである。